数量限定の日本ワイン
東京ワイナリーのワイン
日本で育てられたぶどうのみを使い、日本国内で醸造された日本ワインです。東京ワイナリーでは、東京都練馬区や国立市産のぶどうを始め、長野県、山形県、北海道などのぶどうを使い、無濾過で美味しいワインを作っています。気軽に飲めるテイストの日本ワインをご用意いたしました。
~地域と繋がり、生まれた東京初のワイナリー~
良い商品が生まれる背景には、作り手の熱い想いとこだわりがあります。
「ワインが好き」「東京産の農作物の美味しさを知ってほしい」という想いで、ゼロからワイナリーを立ち上げた越後屋さん。
地域の方々と繋がりながら、栽培から醸造まで手作りで取り組む東京ワイナリーをご紹介します。
小規模ワイナリーで手作業で作られる日本ワイン
株式会社HORIGO(東京ワイナリー)
代表 越後屋 美和さん
神奈川県横浜市出身。農学部を卒業後、日本トップクラスの青果部の取扱規模を誇る東京・大田市場に就職する。東京で育てられた野菜を東京の人々に消費してもらう「都産都消プロジェクト」に関わったことから、東京産の野菜とワインのマリアージュに興味を持つ。2014年3月に練馬区・大泉学園で東京ワイナリーを設立。地域の方々に支えられ、今ではぶどうの栽培からワインの醸造、週末キッチンの運営まで幅広く手がけている。
日本ワインと国産ワインの違いとは?
日本ワインは、日本国内で栽培されたぶどうを100%使用し、日本国内で醸造されたワインのことを指します。一方国産ワインは、海外から輸入したぶどうや濃縮果汁を使用し、国内で製造されたワインのことです。日本ワインと国産ワインの明確な基準を表示するルールが策定されたのは、2015年10月。この法律が完全に施行されたのは2018年10月で、少しずつ「日本ワイン」という呼び方や認識が広まっているところです。ワインの味わいはぶどうが育てられた土地の気候や風土に左右されるだけに、日本ワインは日本の豊かな気候をそのまま反映した、繊細で穏やかな味わいを楽しむことができます。
東京ワイナリー創業のきっかけ
横浜に住んでいた越後屋さんは、東京で育てられた野菜を食べたことはなかったという。大田市場に就職し、東京全域で野菜の仲卸しを担当する中で最初に訪れたのが練馬区だった。「東京にこんなに農家さんが多いなんて」と驚き、「東京の農業をもっと元気にしたい」と思うようになる。もともとワイン好きだったこともあり、農産物100%で作られるワインと、東京産の野菜を使った料理のマリアージュを夢見て、2010年頃からワイナリーの設立へと動き出す。
ワインが好きとはいえ、ワインづくりの経験はまったくない。まずは山梨のワイナリーで2年間修業し、醸造の知識を身につける。広島にある酒類総合研究所にも出向いて学んだ。全国のワイナリーを巡り、ワイナリー設立の夢を語る中で、ワイン用のぶどう農家さんも紹介してもらう。
少しずつ準備を始め、ワイナリー設立の目処が立ったとき、選んだ場所は東京都練馬区大泉学園だった。大田市場で東京全域を担当した際に最初に訪れた思い出深い場所が、練馬だったからだ。駅から歩いて10分ほどの住宅地に佇む東京ワイナリーは、地域のシンボルになっている。
無濾過のワインで、雑味も旨味に
ぶどうからワインを作るには、酵母の力が欠かせない。東京ワイナリーでは野生酵母にこだわり、酵母を追加しない。自然のままに任せているのだ。
契約農家さんから届けられたぶどうは、人の手で選果し、手でつぶして、手動の搾汁機を使用して搾ることにより、やさしい仕上がりになります。
搾ったぶどうをタンクに入れて、ワインへと発酵させていく。ぶどうの状態や気候によって熟成度合いは変わるので、こまめにティスティングしながら、ワインの出来上がりを確かめる。ベストな状態になれば、タンクから手作業で瓶に詰めてリリースだ。今仕込んでいるワインがいつリリースできるかは、その時にならないとわからない。
瓶に詰める際、濾過をして酵母やぶどうのかすなどを取り除くやり方もあるが、東京ワイナリーではあえて無濾過にしている。雑味も残るが、細かい旨味もしっかり味わえるからだ。濾過することで雑味が取れても旨味が少しでも減ってしまうなら、あえて無濾過にして雑味も旨味も残してしまおうというのが、越後屋さんのスタンスなのだ。
出来立てが飲み頃
無濾過のにごりワインの味わい方は、実にさまざまだ。立てて置いておけば、濁りは少しずつ底に沈殿していく。そっとまわして全体的に濁らせても良いし、最初はクリアなワインを味わってから最後に濁りを混ぜて味わっても良い。ワインは寝かせて楽しむこともあるが、越後屋さんは出荷のタイミングが一番美味しくなるように、すぐに飲んでもらえる美味しさにこだわっているという。
樽で寝かせる(熟成させる)ことはあまり好きではないという越後屋さん。とはいえ、ぶどうの品種に合わせて臨機応変に対応している。例えばメルローは、樽を少し使ったほうがまろやかになるので、1年ほど寝かせてからリリースしている。東京都国立産の山葡萄を使ったワインも、酸味を抑えるためにタンクで寝かせているところだ。リリースが待ちどおしい。
多品種少量生産の面白み
毎年7月~11月には収穫されたぶどうがワイナリーに届き、次々と仕込んでいく。一年の中で最も忙しい時期だ。収穫の日にちも明確ではないので、越後屋さんは7月~11月に何も予定を入れず、いつぶどうが届いても対応できるようにしている。
ワイナリーの醸造設備は決して大規模ではない。だからこそ、同じタイミングで一度にたくさんのぶどうが届いても、ワインを仕込むことができない。醸造の時期を分けるためにも、さまざまな産地のぶどうを取り扱っているのだ。
東京で栽培されるぶどうの収穫時期は7月~8月。それから山形県産、長野県産、北海道産と、時期がずれて収穫されたぶどうが届く。ぶどう農家さんの選定は、自分で調べて交渉することもあれば、他のワイナリーから紹介してもらうこともある。
1つのタンクで作られるワインは、約600本。ぶどうの収穫量に左右されるので、実際は100~300本くらいだという。年間での生産本数は約1万本で、そのうち練馬産のぶどうを使ったワインは300本程度。2021年新酒の清瀬ブランは、30本ほどしか作られていない。今後も、東京産だけでなく他地域で育てられたぶどうも使い、さまざまなワインを生み出していく考えだ。
地域の方々に支えられて
1人で東京ワイナリーを設立した越後屋さん。今も社員は1人もいない。ボランティアの方々に支えられて、栽培や収穫、醸造、週末キッチンの運営に取り組んでいる。「ワインが好きだから」「ゆくゆくは自分もワイナリーを立ち上げたいから」など、さまざまな人が集まるという。近所の方が「手伝うよ!」と来てくれることも多い。
実際にワインを購入するお客様も、7割近くが地域の方々だ。ショップではワインの量り売りもあり、マイボトルを持参する常連の方も多い。少量多品種のワインを仕込むため、銘柄が次々と入れ替わるのも楽しみのひとつとなる。その日あったワインが、次も残っているとは限らない。いつ行っても新しい銘柄に出会える新鮮さがあるのだ。
ショップでは土日祝にランチ営業を行ない、ワインと料理を楽しむことができる。キッチンに越後屋さんが立つこともあるが、いろんな人に手伝ってもらうことが多い。越後屋さんは醸造シーズンには醸造にかかりきりになるし、ワインが完成すれば土日祝に開催される各地のマルシェに出向くことが増えているからだ。キッチンを手伝ってくれる人々とも、ワイナリーを立ち上げてから出会ったという。
ワイナリーの表にある看板やショップ内の黒板イラスト、ワインのエチケット(ラベル)も、人の繋がりで生まれている。エチケットのデザインは、越後屋さんがラフを考え、知り合いのデザイナーが形にするのだ。ショップ内の黒板イラストは美大の学生さんに描いてもらっている。
自社畑産ぶどうでのワインなど、広がる夢
ワイナリーの立ち上げから3年ほどは、醸造で手一杯だった。今ではワイナリーのすぐ近くにある自社畑で、ぶどうの栽培にも取り組んでいる。最初は畑をやるつもりはまったくなかったという。ワイナリーでさまざまな人に出会い、ご縁が生まれたことで、新しくやりたいことがどんどん生まれていったのだ。
自社畑ではアルバリーニョやシャルドネ、リースリング、小公子といった多彩なぶどうが育てられている。除草剤は使わず、減農薬で手間隙をかける。ぶどうは苗を植えてから実ができるまで2~3年かかる上に、成木になるまではさらに7~8年かかる。
同じ品種、同じ木であっても、その年によってできるぶどうの味わいは変わるので、まったく同じテイストのワインを作ることはできない。だからこそ同じぶどう品種のワインでも、年ごと、栽培地ごとの味わいの違いを楽しむことができ、飲み飽きない面白さがあるのだ。ぜひ東京ワイナリーのワインで、日本ワインの美味しさ、気軽な日常料理とのマリアージュを楽しんでほしい。
ショップ紹介
株式会社HORIGO(東京ワイナリー)
〒178-0061
東京都練馬区大泉学園町2-8-7
2014年、東京初のワイナリーとしてオープンした東京ワイナリー。東京産をはじめ国内産のぶどうだけで作られた日本ワインは、お鍋やおでんといったお出汁を使った料理とも相性抜群。無濾過のにごりワインで奥深いテイストを味わえることも特徴だ。小規模ワイナリーだけに多品種少量生産で、出来立てが一番美味しくなるように仕込んでいる。生産数が少ないからこそ、気になるワインはお早めに。一期一会の出会いが、日常の食卓をさらに豊かにしてくれる。
こちらのショップの商品はお酒です。
20歳未満の方には販売できませんので、ご了承ください。