珈琲好きに朗報!コーヒーの健康効果
がん抑制にも効果が判明!コーヒーの健康効果がすごい
コーヒーは嗜好品として扱われることが多く、かつては「発がん性がある」と思われていた時期もあったことから、何となく健康に悪いイメージを持っている方はいないでしょうか?ところが、最新の研究ではコーヒーを習慣的に飲むことでがんに効果があることが分かるなど、「コーヒーの健康効果」について解明されてきています。国内外の研究機関からもその健康効果を実証する研究発表がなされており、改めて調べてみるとすごいです。ますますコーヒーの健康効果への期待が高まります。今回は、コーヒー好きに嬉しいコーヒーの驚くべき健康効果と、コーヒーの正しい飲み方について見ていきましょう。
まずは「コーヒー」って何なのか。成分と栄養について
熱帯地域に自生していますが、世界中で栽培されています。一般的に、コーヒー豆として知られるコーヒーノキの種子が収穫され、焙煎されてから挽かれ、お湯と接触させることでコーヒーが抽出されます。
コーヒーの品種は様々あり、アラビカ種(Coffea arabica)やロブスタ種(Coffea canephora)などが有名です。それぞれの品種で異なる風味特性を持っており、好みによって異なる種類のコーヒーを楽しむことができます。
コーヒーは世界中で広く飲まれており、文化や慣習においても重要な位置を占めています。異なる抽出方法や加工方法、豆の産地などが多様なコーヒーのバリエーションを生み出し、個々の好みに合わせて楽しむことができます。
「コーヒーは体に悪くない」って本当?
コーヒーにはカフェインが含まれており、過剰な摂取は不眠症、神経過敏、心拍数の上昇などの問題を引き起こす可能性があることから、あまり健康に良い飲み物というイメージがなく、嗜好品としての印象が強いのではないでしょうか?
驚くことに、適度な量で摂取する分には、コーヒーは「健康に良い」飲み物なのです。
コーヒーの起源
コーヒーの起源には諸説ありますが、西暦900年頃アラビア人の医師ラーゼスが患者にコーヒーを飲ませ、「消化、利尿効果あり」との臨床の記録が残っているという話もあることから医師が患者の治療のために活用した歴史もあるようです。
コーヒーの成分
ちょうど私たちがいただくコーヒー1杯分として、コーヒー浸出液150g中に入っている成分を、日本食品標準成分表を参考に算出してみました。コーヒーの浸出条件は、コーヒー粉末10gを熱湯150mlで浸出した場合です。ほとんど水分でカロリーも少ないですね。野菜や海藻に豊富なカリウムが140mgも含まれるのは新しい発見でした。
・水分:147.9g
・カリウム:97.5mg
・カフェイン:90mg
・ポリフェノール:300mg
・リン:10.5mg
・カルシウム:3mg
・ナトリウム:1.5mg
・ナイアシン:1.2mg
・たんぱく質:0.3g
・炭水化物:1.05g
・ビタミンB2:0.03mg
・鉄:Tr(微量)
・脂質:Tr(微量)
・カロリー:6kcal
※コーヒー粉末10gを熱湯150mlで浸出した場合
他飲料とのカフェイン含有量比較
コーヒーといえばカフェイン。カフェインといえばコーヒー。そんなコーヒーの代名詞のようなカフェインですが、各飲料のカフェイン含有量を比べてみました。圧倒的に多いのが、日本茶の玉露。次いでコーヒーでした。
・玉露 0.16%
・レギュラーコーヒー 0.06%
・紅茶 0.03%
・煎茶 0.02%
・ほうじ茶 0.02%
・玄米茶 0.01%
他飲料とのポリフェノール含有量比較
また、コーヒーに含まれるポリフェノール含有量も目を見張るものがあります。ポリフェノールが赤ワインに含まれているのは有名ですが、それとほぼ同じくらい、コーヒーにポリフェノールが含まれていることがわかります。トマトジュースや野菜ジュースの3倍近くものポリフェノールが含まれていました。
・赤ワイン 345mg
・コーヒー 300 mg
・緑茶 172.5 mg
・紅茶 144 mg
・トマト・野菜ジュース 103.5 mg
・ココア 93 mg
※各飲料150mlに含まれるポリフェノール含有量
いま紹介したカフェインやポリフェノールも健康効果に大きく貢献しています。
では、具体的な健康効果について、以下みていきましょう!
日常を快適にするコーヒーの3つの健康効果
1000年も昔から医療目的でコーヒーが飲まれていたように、コーヒーに多く含まれる「カフェイン」や「ポリフェノール」によって様々な健康効果が期待できます。私達の日常を潤してくれる健康効果はどんなものがあるのでしょうか。特に日々役立つものをピックアップしてみました。
1.覚醒作用と認知機能の向上
カフェインの効果は覚せい作用です。カフェインの覚醒作用により、頭をすっきりさせて集中力を高める効果があります。これにより、注意力や集中力が向上し、一時的な疲労感を軽減することができます。疲れたときや、シャキッと目覚めさせたい時などは、とても効果的です。
2.運動パフォーマンス向上
カフェインは脂肪酸の分解を促進し、筋肉の収縮力を向上させる助けになるため、運動パフォーマンス向上に寄与することがあります。
3.抗酸化物質の供給
ポリフェノールは、植物が持つ苦味や色素の成分で、活性酸素などから体を守る抗酸化作用の強い成分です。ポリフェノールは細胞の酸化ストレスから身体を保護し、炎症を軽減する可能性があります。そのため、ポリフェノールは美容や健康にも効果的とよく耳にしますし、活性酸素が引き金となって起こる動脈硬化や、心筋梗塞、などの生活習慣病の予防に効果があります。
医療界も注目!最新研究で発見された健康効果が続々!
国立がん研究センターの予防研究グループの他、国内外の様々な大学の研究チームや医療機関・研究機関がコーヒーの健康効果に注目し、日々驚きの発見をしています。健康寿命の長さが問われるこれからの日本において、コーヒーは大きな問題解決の糸口になるかもしれません。
コーヒーで心臓病・脳卒中・呼吸器疾患の死亡リスク低下
炎症を予防する効果のあるカフェインと、酸化を防ぐ効果のあるポリフェノールの相乗効果によって、習慣的にコーヒーを飲む人は、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという研究結果が国立がん研究センターの予防研究グループから発表されています。
また、コーヒーに含まれるカフェインが気管支を拡張する作用があります。そのため、ぜんそくなどの呼吸器疾患の対応に寄与できることがわかりました。コーヒーを飲む習慣により呼吸器の機能の改善が見込めるそうです。
国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ
コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
肝臓がん・子宮体がんの予防効果も
コーヒーは、肝機能酵素活性を改善したり、肝がんの前病変である肝疾患や肝硬変のリスクを低下させたりすることが知られており、肝細胞炎症を軽減することによって肝病変の悪化を抑制し、肝がんの予防につながると考えられます。肝がんに関しては「ほぼ確実」な効果が、そして、子宮体がんに関しても「可能性がある」とする研究結果がでているそう。コーヒーに含まれる成分である3つの因子、すなわちクロロゲン酸、カフェインなどが、肝がん予防に関わっていると考えられているようです。
国立がん研究センター がん対策研究所
コーヒー・緑茶摂取と肝がんとの関連について」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/355.html
2型糖尿病の血糖値の改善
コーヒーを飲んでいる人は、インスリン抵抗性が低下し、CRPが低下(炎症の低下)、レプチンが低下、アディポネクチン濃度が上昇している傾向がみられるそう。コーヒーを飲む習慣は、2型糖尿病の血糖値改善にも役に立ちます。
参考:糖尿病ネットワーク
https://dm-net.co.jp/calendar/2023/037467.php
パーキンソン病のリスク低減
神経変性疾患のアルツハイマー病やパーキンソン病は、神経伝達物質ドパミンの不足から運動障害などが起こる疾患ですが、カフェインの入ったコーヒーの摂取でパーキンソン病の発症リスクが低減することが発表されています。パーキンソン病の患者では血清カフェイン濃度が低いという発見もあり今後に期待されています。
順天堂大学 脳神経内科教授 服部信孝「コーヒーとパーキンソン病」
https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/asset-library/documents/stories/individuals-families/interview15.pdf
研究技術が進化し、日を追うごとに、まだ知られていないコーヒーの様々な健康効果が発表されています。まだ解明されていないことも多くありますが、早く有効治療に役立てられる未来がすぐそこに来ているのかもしれませんね。
なお、健康面での配慮が必要な方は、必ず医師と相談の上、コーヒー摂取の有無や頻度・量を決めるようにしてくださいね。
コーヒーで上質な時間を満喫。
心も体もリラックスするコーヒーの頂き方
コーヒーを飲む時間そのものも楽しみの一つです。ゆったりと極上の美味しいコーヒーの香りに包まれ、静かなひと時をすごすのもストレス解消に役立つことでしょう。美味しいコーヒーの選び方、美味しいコーヒーの頂き方を学んで、より上質なコーヒータイムを楽しんでいただければと思います。
1.適量のコーヒーを
過剰な摂取は逆効果になることがあるため、適切な量を守ることが重要です。一般的には1日に約4杯のコーヒーが推奨されていますが、個人差がありますので、体調などを考慮して調整することが重要です。
※健康上の懸念がある場合は、医師や栄養士に相談しましょう。
2.コーヒータイムを選ぶ
コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用がありますので、朝など体を目覚めさせたい時に摂るのがおすすめです。食後、眠気が来てしまう時にも役に立つでしょう。気を付けたいのが夜。夜遅くに摂取すると、睡眠に影響を与える可能性があるため、寝る前のコーヒーは控えたいところです。
3.コーヒーに入れる砂糖やクリームに注意
コーヒーに砂糖やクリームを加えることは一般的ですが、これらを過剰に摂取するとカロリーや糖分が増え、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。できるだけ控えめに使用するか、代替品を検討することが良いでしょう。
4.水の摂取量の調整
コーヒーは利尿作用があるため、水分補給とのバランスも気を付けておきましょう。コーヒーは水分の代わりにはならないので、コーヒーとは別に十分な水分を摂ることで、脱水を防ぎましょう。
5.コレステロール値の高い方は注意
1日5杯のフレンチプレスコーヒーを4週間摂取するとコレステロール値が上がったという研究結果もあります。適量を守れば心配はない場合が多いのですが、健康のためコレステロール値を改善しないといけない場合は、フィルター処理されたドリップバッグフィルター方式で淹れたコーヒーを選択するなど、医師とも相談して検討した方が良いかもしれません。
6.自分好みのコーヒーで美味しさを満喫
コーヒーは、豆の産地などの種類や、焙煎度合い、挽き方、抽出方法でいろんな表情のある味わいを見せてくれます。気分やシチュエーションに合わせて自分好みのコーヒーを探すのも楽しいものです。
いかがでしたか?改めて調べてみることで、コーヒーが仕事や生活を健康で豊かにしてくれる素晴らしいものだと発見できましたね。がんの抑制や動脈硬化など様々な疾病への期待も膨らみます。最近ではアルコール控え&健康志向になってきていますので、大切な方への贈り物にもコーヒーはおすすめです。ぜひコーヒーで健康で豊かな時間をお過ごしください。
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